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  • 執筆者の写真竹ノ内 博幸

カニの話。

これは新潟県にいたころの話。


カニで有名な観光スポットがありまして

県外からもたくさんのお客さんが

来られるんですね。


あるお店で

関西から観光に来られたお客様が

カニを注文してご自宅宛てに発送するよう

頼んでいかれたそうです。


そこで食べたカニが

相当おいしかったのでしょう。


『みんなに食べさせてあげたい!』と

大晦日に家族と親戚を集めて

カニ鍋をやるつもりだったそうです。


いよいよ大晦日。


そのお客様は午前中から食材を準備。


鍋を火にかけてお湯を沸かして

自宅でカニが届くのを待っていた

らしいのですが・・・・


お店の方がうっかり忘れて

発送してなかったのですね。


お店の方が連絡を入れたところ

お客様が大激怒!


期待が大きかっただけに

その怒り方はすさまじかったらしいです。


そしてうちに連絡が入りました。

お店に行って積み込み。


ナビを見たら

お届け先までおよそ600キロ。


『頑張って飛ばして

到着は夕方6時ころだと思います。』


お店の方にそれだけ告げて

出発しました。


ちなみに工場などの

生産ラインに関わるような場合は

出発する時と中間報告をお届け先に

入れるのですが。


その時は先方に

連絡しなかったのです。


電話で何度も怒られるより

着いた時に一度怒られる方が

いいですから。


出発した時は

それほどでもなかったのですが。


北陸道を富山方向に進むと

ゲリラ豪雪と言っていいほどの大雪。


高速道路の電光掲示板には

『この先事故・注意』の文字。


この表示が福井県あたりまで

すっと続いたのです。


あっちこっちの路肩に車が止まり

横転している軽トラックもありました。


そんな状況でしたので遅れに遅れ

着いたのは夜の9時過ぎ。


『まずいな~』と思いながら

おそらくこのあたりと思われるところで

初めて先方に電話を入れました。


『家の前に立ってますね』

という返事があったあと

道路に出てくる人影が見えました。


そちらに車を止めると

30代くらいのご夫婦が

近寄ってきて

『北陸道を通ってきたんですか?』

と冷静に聞かれるんですね。


『え?そうですけど』と答えると

『大変でしたね、ご苦労様です』。


怒鳴られるのを予想してたので

こちらは拍子抜け。


そこで車を降りて

しばらく立ち話してました。


北陸道が大雪で事故が多発

大変なことになっている

という内容のニュースが

何度も流れたそうです。


先方のご家族は

『うちのカニ、ここ通ってくるのかな?』

と思ってニュースを見ていたのだとか。


すごい状況の映像がテレビから流れ

それを見ているうちに怒りが納まって

しまったらしいです。



さて中まで入ることなく

ご自宅の前でお荷物受けわたし

となりました。


お客様が注文されたカニは

発泡スチロールの箱

3ケースだったのですが

おわびということで

お店から6ケース預かってました。


それも値段が高いのを。


そのおかげもあって

お客様にはとても

喜んでいただけました。

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